衛生害虫とは、直接人間に危害を与える虫を総じて分類した呼び名ですが、その中でも生活の身近な場面で急激な繁殖することが問題となるのが、ダニ、ノミ、トコジラミといった小さな種類の虫達です。また、これらの衛生害虫が盛んに活動する条件としては、地球上で最も多くの虫が生息している熱帯雨林の環境に近い、温度と湿度の高い環境であるとされています。このため、本州でも最北端に位置し、県の全体が豪雪地帯に指定されている青森県ではやや警戒が薄くなっていることも時折あるようですが、日本に生息している衛生害虫は、青森県を含めた全国各地で繁殖していることに注意しなければいけません。ダニ、ノミ、トコジラミなどの衛生害虫は、それぞれに外見や生態が違うものですが、体の大きさや人間の血をエサとする食性などには似ている点もあり、活発に活動しはじめる場面のもほぼ一括りに考えられています。気温としては20度から30度程、湿度は60%から80%程度まで上昇すると、各地でダニなどの被害が目立ってきます。こうした温度・湿度の状態は、年間を通して見れば青森県でも珍しいものではなく、8月や9月の時期には県内で多くの地域が温度、湿度がともに年内最高にまで高まることから、衛生害虫にとって生息に適した好条件が整いやすくなります。そして、こうした衛生害虫の問題が発生しやすく、自力での解決が極めて難しい場面が住宅などの寝室となります。寝室の布団やカーペットは湿度を溜め込みやすく、最高気温が気温が20度を越える季節には押し入れにしまわれた布団ではダニが数万匹にまで短期間で繁殖してしまいます。こうしたことから、冬の寒さが印象深い青森県でも、季節によってはダニ駆除やノミ駆除の需要が高まり、業者への依頼が増加します。この時、トコジラミについても同じように駆除が必要となる被害が増えるのですが、駆除の依頼を取り巻く状況は少しだけ異なります。トコジラミは別名を南京虫というだけあって、海外から荷物と一緒に日本に持ち込まれた害虫であるとされています。そして、一昔前にはほとんど駆除の機会が無いほどに被害が減少していたため、衛生害虫の駆除を行っている業者でも、中にはトコジラミについては駆除対象外としているところもあり、地域によっては業者探しに悩まされる世帯もあるようです。また、トコジラミを含めた衛生害虫は生態が変化している例も報告されており、従来の薬剤に耐性を持ったトコジラミがスーパー南京虫と呼ばれているなど、警戒が強められている事態もあります。青森県内の駆除業者でも、こうした変化に柔軟に対策をとっている業者に期待が寄せられています。